ニューヨーク・プリスクール:ウィズコロナ下での学校生活

こんにちは。

去年10月末にNYに引っ越して来て早々、右も左も分からないままGoogle先生を頼りにプリスクール受験をしてから早10ヶ月経ちました。。

そして9/10からいよいよ娘のプリスクールが始まりました!

初日はほぼ愚図ることなく楽しく過ごせたようですが、2日目は登校してから1時間足らずで学校から電話。泣き止まないので来てくださいと言われそのままお昼まで付き添うことになりました。初日はスムーズにいっても2日目以降愚図る子も多いと聞いていましたが、その通りになってしまいました。

子供の保育園・幼稚園初登園は親としても一大イベントでドキドキですよね。

本来であれば子供に付き添いながら時間をかけてSeparation(慣らし保育)をしていくのですが、コロナの影響で通常のようにはいかず、子供には可哀想ですが若干スパルタ式になっています。

引き続きソーシャルディスタンスやマスク着用義務も続くため、例年とは異なる学校生活になりそうでやはり心配になる気持ちは拭いきれません。

プリスクールHPより引用

同時に、今年はパンデミックにより開始前から不透明なことも多く不安を感じたりやきもきしていたので、慣れるまで時間はかかりそうですが、何はともあれまずは無事新学期をスタートできたことにホッとしています。

この記事では、自身の記録のためにもウィズコロナ下でプリスクールが無事始まるまでの経緯と、コロナ感染防止対策を含め「ニューノーマル」な学校での生活について書いていこうと思います。

目次

ロックダウンからプリスクール開始に至るまで

リモートラーニングと学費問題

2020年3月中旬、コロナの拡大が深刻化したニューヨーク市では、全ての学校がリモートラーニングに切り替わり、そのまま再開することなく3学期を終えました。

また、就学前の娘が通っていた親子教室もすぐにオンラインに移行し、先生の自宅からいつもの歌とダンスのクラスをライブ中継するなど、ロックダウン中毎日無償で充実したコンテンツを発信してくれていました。更に親たちに向け、専門家をゲストに迎え子育てに関する有益な情報をインスタライブで毎週配信してくれる教室もありました。

どれも先生たちの熱意が感じられる素晴らしい内容で、親としては感謝の気持ちでいっぱいです。


この頃から、毎朝近所の公園で顔を合わせる親たちと決まって盛り上がる話題はプリスクールのこと。コロナの影響でプリスクールでのリモートラーニングが導入されても、2歳児相手には正直厳しいものがあります。

また、以前書いた「プリスクール探し」の記事の通り、マンハッタンのプリスクールの授業料は高額です。そもそも9月から学校がスタートできるのか、始まってもリモートラーニングになった場合の学費はどうなるのか、皆同じ不安を抱えていました。

この件に関し実際に公園で色々聞いてみたりFacebookのオンラインコミュニティーで情報収集したのですが、2歳児に対しリモートラーニングになった場合の各学校の対応にかなりの差があり驚きました。

2歳児クラスがリモートラーニングになったとしても学費の返金は一切なしというスタンスの学校もあれば、リモートになった場合その期間に相当する学費の返金を検討するところ、返金はしないけれど翌年まで入学を見送ることのできるオプションを設けるところ、デポジット以外の学費全額返金し入学自体を取り消せるところなど、とにかくバラバラ。

娘の学校は、入学を数ヶ月または1年延期するオプションはありましたが、リモートになった場合の学費返金は一切なし。

これは学校によって置かれている経済的立場も違うため、もちろん良し悪しではありません。

ただ、娘の学校の場合、2020-2021年度の学費は全額前倒しで支払うことになっていて、学校がスタートしてもリモートラーニングになった場合、既に支払った高い学費が無駄になるのでは正直不安な気持ちはありました。

そもそも学校に行かせるべきではない?!

4月下旬辺りから徐々にコロナの患者数が減りピークを過ぎたものの、まだまだ油断ならない状況は続いていました。今でこそニューヨーク州の感染者数は落ち着いていますが、ほんの数ヶ月前まではアメリカどころか世界レベルで最悪の状況。プリスクール入学が決まっていようがいまいが、郊外や他州に引っ越しをするファミリーもたくさんいました。

中には前払した一年分の学費を捨ててでも安全性を考えたら仕方がないと割り切って引っ越す人もいて、心が揺れ動いていたのを覚えています。

この状況下でそもそも2歳の子供を学校に行かせようとしていることは無謀なのだろうか、アメリカに来たばかりだけどうちも郊外に引っ越すことを考えるべきなのだろうか、と夫と何度も相談しながらも結論は出ず、長い間やきもきしていました。

そして7/7。デブラシオニューヨーク市長より、感染予防のため定められた規定を守ることを前提に、ニューヨーク市のデイケアおよびプリスクールが物理的に再開されることになったと発表されました。ひとまず、これで新学期早々リモートラーニングになる可能性はなくなりほっとしました。

とはいえコロナが終息したわけではなく、周りの親たちの反応をみてもまだ様子見で、9月から通わせるかどうかまだ決めかねるという人が多い印象でした。

コロナ感染のリスク vs 学校へ通わせることのメリット

秋からプリスクールが再開するとはいえ、コロナ感染リスクを恐れて子供を通わせない選択をする家族も周りにいたため、我が家もその点につきかなり悩みました。頼りにしていたママ友のAmyは、2人目を妊娠していたのでリスクを考え、せっかく合格したプリスクールを辞退し実家のあるフロリダへの引越しを決めました。

私たちはもちろんアメリカに身内もいないし夫の仕事の関係でニューヨーク市を離れることはできないので、予定通り学校に通わすか、(一年後にはコロナが落ち着いていることを祈って)入学を一年延期させるかの2択でした。

もちろんコロナによるリスクはありますが、娘もここ数ヶ月で興味の対象が広がり周りの子とも上手に遊べるようになってきたので、できれば予定通り学校で学ばさせてあげたいなという思いはありました。

たまたま娘が体調を崩した時があり、いつも通っている小児科の先生とバーチャル診断で話す機会がありました。せっかくなのでこの件について相談してみたところ、

「小さい子は特にソーシャルディスタンスを保つことが難しくリスクはゼロではない。でも、ニューヨーク州のコロナ感染者数は落ち着いていて、感染予防策を徹底しながらのニューノーマルな生活が定着してるため、学校に通わせることがものすごく危険という風には思わない。」とのこと。

あくまでもこの先生個人の見解ではありますが、これを聞いて少しばかり安心しました。

7月末ごろから徐々に学校から新年度についての情報がシェアされ始め、最終的な私たちの判断基準となったのはクラスのサイズでした。NY市の規定では、1クラスにつき生徒数の上限は15人。

娘の学校はマンハッタン内に2つのロケーションがあり、娘が通うロケーションはもう一つと比べてかなり小規模です。2〜3歳児のクラスと3歳〜 Pre-K(4歳児)クラスの2クラスしかありません。

子供の数によっては部屋面積に対して密集度が高くなり危険かなと思い確認したところ、娘のクラスは娘入れて5人、大きい子のクラスは計7人。しかも娘のクラスには先生が2人もついてくれるそう。学校全体合わせても規定の15人以下で、学校を決める時点ではちょっと小さ過ぎるかなとも思ったのですが、コロナ対策としては人数が少ない方が安心だったので結果的によかったです。

数ヶ月間色々悩み一時はどうなることかと思いましたが、無事学校に通うことができるようになり本当によかったです。

プリスクールでの学校生活:ニューノーマルとは

そもそも学校に通わせること自体が初めてなので、パンデミックによるニューノーマル=私たちが唯一知るノーマルになります。ビフォーコロナの園生活と比較して変わった点の詳細は分かりませんが、コロナ対策として様々な特別ルールが適用されます。

プリスクールHPより引用

新学期開始前のオリエンテーション(慣らし保育)

ソーシャルディスタンスを保つため、以下のような形でオリエンテーションが行われました。

公園でのストーリータイム:先生や他の生徒との顔合わせのため、学校内ではなく公園の広場で絵本の読み聞かせが行われました。娘のクラスメイトは都合が合わず上のクラスの子数名だけでしたが、ここで娘のクラスの担任の先生に初めてきちんとお会いすることができました。

学校の教室で個別のプレイグループ:ソーシャルディスタンスを保つため数回に分けられ、各セッション子供2人まで。学校や実際に使うクラスルームなど、新しい環境に慣れることが目的です。幸い入学が決まった去年から数回、園のイベント(日本でいう学園祭のようなもの)で学校には何度か訪れていたため、あまり臆することなく遊べていました。

子供についてのアンケートフォーム記入:去年までは、親が子供に同伴し校内まで付き添い、各自のペースを見ながら徐々に親の滞在時間を減らしていくというやり方で慣らし保育をしていました。しかし今年は、コロナ対策で基本親は中に入れないので、アンケートフォームに子供の好きな遊び、おもちゃや歌、キャラクターなどの情報を記入、子供が寂しくなったり愚図った時など、アンケートでシェアされた情報を元に先生が対応するそう。その他家族写真を使ったり、入り口付近には子供たちの気を引くようなおもちゃステーションがあったりで、少しでも不安を取り除くため様々な工夫がされていました。

例外はもちろんあって、前述の通り、2日目は娘が泣き止まず学校から呼び出されたため落ち着くまで私は中に入って付き添うことができました。でもデフォルトで初日からそのようにはいかなかったので、やはり娘にとっていきなりバイバイはハードルが高かったようです。

登下校のニューノーマル

登下校時、入り口付近の混雑を防ぐため、’staggered schedule’による送り迎え(分散登校)が行われます。

各自割り振られた時間に学校へ行き、下記の「チェックイン」プロセスが行われます。

  1. 事前にダウンロードしたアプリで当日の健康状態に関する質問に回答
  2. 学校に入る前に体温チェック
  3. 靴を脱いで、インドアシューズ(上履き)に履き替える
  4. 入室後すぐにハンドサニタイザーで手を消毒
  5. 先生に教室に連れ行ってもらい、着いたらすぐに石鹸で手を洗う

この一連のプロセスを完了しはじめて1日が始まります。

ちなみにこのアプリを通して、先生が子供の様子を撮った写真が随時アップされたり、メッセージ機能を使って先生とやりとりも可能です。

学校内でのコロナ対策特別ルール

学校が始まる前保護者にシェアされた新年度のハンドブックには、ウィズコロナ下で新しく適用される特別ルールがびっしりと書かれていました。

全ては書ききれませんが、ビフォーコロナと比べて主に変わった点は以下の通りです。

  • ランチ・お昼寝の時以外、スタッフ及び2歳児以上の子供は常にマスクを着用する
  • 1クラス+担任の先生セットで’Pod’とし、他のクラスとソーシャルディスタンスを常に保つ(クラスを超えた交流はなし)
  • 毎日定期的にクリーニング、消毒が行われる
  • クッションやラグなど簡単にクリーニングできないものは全て取り除き消毒しやすいプレイマットに交換
  • 空気清浄機を追加購入し換気を徹底する
  • 基本おもちゃなどのシェアはしない / センサリープレイ(五感を刺激する感覚遊び)やアートで使うマテリアルは、以前はシェアしていたが今後は各自の道具箱にそれぞれ必要なものが与えられる
  • ランチ・お昼寝の時はマスクを外すので、テーブルやマットレスを6 feet(約2m)離してセットする
  • 海外及び現在自己隔離対象州となっている地域へ行って帰ってきた場合、必ず学校にその旨を伝え2週間隔離すること

これに加え、実際にコロナ感染者が出た場合そのクラスは2週間休みになる、2つ以上のクラスがコロナ感染者とコンタクトがあった場合学校全体が最低2週間休校となりリモートラーニングに切り替わる、といった細かいルールも設定されています。

まとめ

小児科の先生にも言われた通り、コロナ対策が徹底されたニューノーマルの生活が定着したとはいえ、小さい子供同士なかなかソーシャルディスタンスを保つのは難しいと思います。

また、様々なコロナ対策によりいつもとは違う制限された学校生活になってしまうため、子供からしたらいつも以上に不安になったり戸惑うことも多々あると思います。

幸いニューヨーク州ではコロナ感染者状況はここ数ヶ月落ち着いていていますが、コロナがなくなったわけではありません。慣れるまで時間がかかるかもしれませんが、焦らず、うまくニューノーマルな環境と付き合いつつ、楽しい学校生活を送れるようになってくれればと思います。



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この記事を書いた人

2019年ニューヨークに移住。海外生活21年目。海外での暮らしや子育て情報、日々の気づきを発信しています。

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